爬虫類飼育初心者の方にも非常に飼いやすいレオパードゲッコー(ヒョウモントカゲモドキ)
爬虫類飼育を初めてされる方の多くが、レオパを候補に選ぶんじゃないかと思います。
ネットに情報も多く色々調べるとは思いますが、いざ迎える準備をし、飼育を開始しするまで不安がたくさんあると思います。そんな不安を少しでも解消できるように飼育初心者が知っておくべき事前準備や飼育についての考え方、お迎え方法、お迎えする際の注意点を紹介していきたいと思います。
まず始めに 〜動物愛護管理法を知りましょう〜
人間と動物が共に生きていける社会を目指し、動物の習性をよく知ったうえで適正に取り扱うよう定めた動物の愛護と適切な管理を行うための法律です。(動物愛護管理法の概要)
飼育を考えている方は一度目を通しておくことをオススメします。
飼い主が守って欲しい5ヶ条
- 動物の習性等を正しく理解し、最後まで責任をもって飼いましょう
飼い始める前から正しい飼い方などの知識を持ち、飼い始めたら、動物の種類に応じた適切な飼い方をして健康・安全に気を配り、最後まで責任をもって飼いましょう。 - 人に危害を加えたり、近隣に迷惑をかけることのないようにしましょう
糞尿や毛、羽毛などで近隣の生活環境を悪化させたり、公共の場所を汚さないようにしましょう。また、動物の種類に応じてしつけや訓練をして、人に危害を加えたり、鳴き声などで近隣に迷惑をかけることのないようにしましょう。 - むやみに繁殖させないようにしましょう
動物にかけられる手間、時間、空間には限りがあります。きちんと管理できる数を超えないようにしましょう。また、生まれる命に責任が持てないのであれば、不妊去勢手術などの繁殖制限措置を行いましょう。 - 動物による感染症の知識を持ちましょう
動物と人の双方に感染する病気(人と動物の共通感染症)について、正しい知識を持ち、自分や他の人への感染を防ぎましょう。 - 盗難や迷子を防ぐため、所有者を明らかにしましょう
飼っている動物が自分のものであることを示す、マイクロチップ、名札、脚環などの標識をつけましょう。(動物愛護管理法 飼い主の方へ)
動物取扱業者を選ぶ時のポイント
- 広告は適切に行われていますか?
登録を受けている業者の広告には、登録番号、動物取扱責任者、動物取扱業の種別などが記載されています。 - 店内に登録番号が記入された標識を提示してありますか?
登録を受けている業者は、登録番号や営業の種類、登録期限などを記した標識を店内に提示しています。 - スタッフは名札(識別票)をつけていますか?
スタッフは登録番号や営業の登録期限などを記した名札(識別票)をつけています。 - 購入する前に飼い方や健康状態などの説明はありましたか?
販売者は、販売する前に購入者に対して動物の健康状態やワクチン接種の有無、飼い方、標準体重・体長などの説明をしなくてはなりません。 - ケージが狭すぎたり明るすぎたりしませんか?
動物が立ったり寝たりするのに十分な空間を確保し、過度の苦痛を与えないよう照明や音に配慮しなくてはなりません。 - 排泄物などで施設が汚れたり悪臭がしていませんか?
業者は、排泄物を適切に処理し、施設を常に清潔に保って、悪臭や害虫の発生を防ぐなど、周辺環境にも配慮しなくてはなりません。(動物愛護管理法 業者選定のポイント)
もちろん、動物愛護管理法を守らなければ罰則もあります。飼育する事への責任、覚悟を持ってお迎えしてください。
尚、インターネットで購入する場合でも、販売業者はその個体の直接の現物確認、対面で説明を行う義務があります。
お迎え前の準備編 〜飼育に必要なアイテムを準備する〜
- 飼育ケージ
- シェルター(ウェットシェルター )
- 床材(キッチンペーパー、土系や砂系植物系など)
- 保温器具
- 温湿度計
- 水入れ
- 餌
- サプリメント
- ピンセット
レオパを購入する前にケージのセッティングや温度や湿度を調整しておき、生体をケージに入れるだけの状態にしておく事が大切です。
お迎え編 〜どこで購入すれば良い?〜
1.全国で行われている爬虫類のイベントで購入する
爬虫類のイベントは全国各所で定期的に行われています。イベントで購入するメリットとしてはイベント価格で販売されていたり、多くの生体を一度に見れるので、選べる数が増えます。注意点としては他のお店を見ようとイベント会場を回ってる間に欲しかった生体が売れてしまい買えなくなる事があります。結構ヘコみます。
2.爬虫類ショップで購入する
「レオパ 地名」で検索すれば自分の住んでいる地域の爬虫類ショップが出てくると思います。お店の方に販売されてるレオパについてや飼育方法の疑問、何かあった時に相談がしやすいところがメリットだと思います。店舗にもよりますが昼や夕方から営業されていたり、店舗に行く前に連絡をしていかないとダメなショップもあったりするので、ホームページで営業時間の確認と電話番号の控えは必ず持っていくことをオススメします。専門店の為、敷居が高いイメージがあり、爬虫類初心者にはお店に入る事自体ハードルが高く感じられる方も多いと思いますが、「そこを乗り越えてでも飼育をしたいか」という最終判断の基準にしてもいいのかなと思います。
3.ホームセンターやペットショップで購入する
ペットショップは爬虫類を多く置いてる店舗もありますが、かなり少ない数しか販売していない店舗もあります。ホームセンターに併設されていたり、ショッピングモール内にあるお店だと気軽に入店し購入できるというメリットがあると思います。ですが、肌感として爬虫類ショップに比べて知識が少なく、記載されている品種(モルフ)と実際のレオパの品種(モルフ)が違う事や展示されているレオパが明らかに弱っていたり、飼育用品が少ないといった店舗もあります。
爬虫類ショップが近くになくて、イベントでたくさんのレオパを見て決めたいという気持ちが強く、イベントにて初めてのレオパを購入しました。出会いというものを大事にし、これだと思ったレオパをお迎えしました。
初心者がお迎えする前に確認するべきポイント
1.尻尾
- 尻尾の一番太いところがレオパの首と同じくらいのサイズか。
- 変な曲がり方をしていないか。
- 自切していないか。
尻尾は太ければ太い方が良いという訳ではなく、逆に肥満により寿命を縮めてしまう可能性もあります。自切している生体は臆病になっていたり、神経質になっている可能性があるので、初心者にはオススメできません。
2.不自然な動きをしていないか
- ケージの中をグルグル回っている。
- 歩き方がおかしくふらついている。
- 首を変に振っている。
品種(モルフ)によって神経障害を起こしやすい個体もいます。初心者の方には飼育難易度が高いので、不自然な動きが見られた場合は「こんなものなのかな?」と自分で判断せずに、まず店員さんに確認してみましょう。
3.餌について
- どれくらいの頻度で餌を与えているのか。
- 餌は何を与えているのか。
- 水入れから水を飲むのか。
人工餌なのか活き餌なのか、また餌の種類は何か、どれくらいの量をどれくらいの頻度で与えているのか、水分は水入れから飲むか、壁に霧吹きをしないと飲まないのか等水分の摂取の仕方について個体やショップによっても様々なので、必ず聞いておきましょう。
4.その他気になる点
- オスなのか?メスなのか?
- 目がちゃんと開き、見えているか。
- 口の周りが綺麗か。
- お腹の膨らみがおかしくないか。
- 指が全てあり、曲がったりしていないか。
- 排泄口が汚れていないか。
品種(モルフ)によって視力の弱い個体もいますが、給餌が難しいなどの問題もあるので初心者にはオススメできません。また脱皮不全により指の先がなくなってしまう個体もいます。基本的に生活に支障のないレベルだと販売されていることもありますので、注意して確認をしてください。
餌で口内が傷つき口に膿みのようなものができていたり、体調不良で糞が正常ではなく排泄口が汚れている個体も販売されている可能性もあるので、こちらも注意して確認をしてください。
初心者の方は基本的にアダルトの飼育から始める方が良いと言われていますが、それでもベビーから飼育したい方は、元気で餌喰いも良い大きな個体をなるべく選ぶことをオススメします。
レオパをお家に連れて帰るまでの注意点
購入したレオパは透明の小さな容器に入れられます。生体にとっては窮屈です。
注意点
- 寄り道はせずに最短で帰る。
- 振動や揺れに気をつけて慎重に運ぶ。
- 会場内と外の極端な温度変化に気を付ける。
冬場の注意点
- 100均で売られている保温バッグ等の保温ができるものに入れる。
- カイロに新聞紙を巻いたりタオルを巻いてカップの近くにおき、保温バッグの中を保温する。(容器が小さく逃げ場がなくなってしまうので、カップに直接くっつけない)
夏場の注意点
- 100均で売られている保温バッグ等の保温ができるものに入れる。
車で帰る際の注意点
- 直射日光が当たるところには置かない。
- 冷房や暖房をつけ容器を入れた保冷バッグとの温度差に気をつける。
- 冷房や暖房の風が当たらない所に置く。
- 振動や揺れが極力ないところに置く。
お迎え後 〜帰宅してから〜
- すぐにケージに移す。
- 温度や湿度が問題ないか確認。
- 水入れに水を入れ3、4日放置する。
帰宅後のレオパは疲れきり、ストレスも溜まっていると思いますので、ケージ内に入れたら放置してあげてください。ちなみに一番簡単なケージへの移し方としては、購入した容器ごとケージに入れ少し傾けてあげれば容器から出ます。無理に掴んだり、無理に容器から出そうとはしないでください。
そして、心配や不安で覗きすぎたり、触りすぎることは絶対にやめてください。
1週間餌を食べなくても問題ないので、まずは環境に慣れてもらうことを何よりも最優先しましょう。餌は3、4日たってから与えてあげましょう。
ちなみにですが、ハンドリングはお迎えして最低でも1週間、2週間経ってからやった方が良いと言われています。
環境の変化が非常にストレスとなりやすいので、レイアウト変更など大胆に環境を変える場合は拒食になる可能性もあります。環境を大幅に変えたらすぐに餌を与えずに2、3日は放置する事が良いと思います。
初めてレオパをお迎えする際は期待と不安が同じぐらいあると思います。飼育初心者でも飼いやすいと言われていますが、飼い方の知識や事前準備は非常に大切です。最初のステップでストレスを感じて拒食になったり体調を壊してしまうかもしれません。早く自分が用意した環境に慣れてもらうためにも準備→購入→放置→餌を与えてみるを確実にクリアしましょう。そこがクリアできてこそ次の段階へ進む事ができるでしょう。ただ、レオパは犬や猫のように撫でられたいや触られたいワケではないので、飼育者の都合でストレスを与えるようなことは避けましょう。
コメント